コラム

ボーダレスの業界で何をするのか?

少し前までは供養産業も葬儀屋・仏壇屋・石材屋・ギフト屋などとその役割ごとに分類がありました。

しかしこの10年ぐらいはその区切りがなくなってボーダレス化が進んでいます。葬儀屋が自社で仏壇部門を持ったり、石材部門を持ったり、香典返しのギフトを扱ったりと。

まあそこまでは葬儀屋にとって悪い話でもなかったのかもしれませんが、次なるボーダレス化は介護事業社や老人ホームが自社で葬儀を執り行うということが始まっています。(逆に葬儀屋が訪問看護ステーションを始めたりもあります)

私はこの動き全体を見た時にある種の危機感を覚えますね。

まず葬儀屋が仏壇墓石ギフト挙げ句の果てには食事までを内製化してしまうことは非常に危険です。40年近くこの業界にいてわかっていることは「葬儀の獲得できる件数がよほど大きな葬儀社でないと一定していない」ということです。親亀コケたら皆コケた状態を引き起こす可能性があるのです。リスクがあまりにも大きすぎますね。固定費である設備の費用や家賃、従業員の給料などが大きくなりすぎてしまいます。

そして介護事業社が直接自社で葬儀を扱うことにも危険性があります。それは今でも介護事業社の人出不足が叫ばれているのに、その先に葬儀の施行という新たな事業をやっていけるのか?ということです。そこで提案するのがやはり介護事業社と葬儀屋の提携ではないかと考えています。人材不足というのは何も私たちを取り巻くところだけで起こっている問題ではありません。この先の日本全体の問題です。

そんなこんなでこのボーダレスの時代に敢えて直接手がけることをせずに、それぞれの専門家の集合体を作っていくという作業に取り組んでいます。「幸福モデル」では高齢者が大好きな「ピンピンコロリ」についても研究していますが、そういう高齢者のピンピンコロリを応援していくためには多種多様の専門家の連携が必要と考えています。

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