コラム

「総合」から「専門」へ

「〇〇に関するすべての事をお任せください」
「なんでもしますのでご相談ください」
こういうキャッチフレーズを使っていると仕事の範囲が広くてあらゆる仕事が獲得できそうな錯覚に陥ってしまいます。
「総合〇〇業」という看板は今でも町の至る所で見かけますよね。
しかし、よくよく考えてみるとそれはサービスを提供する側にとっての宣伝広告言葉であって、サービスの提供を受ける側の消費者側には立っていません。
消費者側からすれば「んで、何をしてくれるのかさっぱりわからんわ」という状況を引き起こしています。
「総合」という言葉はかえって焦点をぼかしてしまっているのです。

そのいい例が私たちが子供の頃(50年近く前)はデパートの上の方の階に行くと和食・洋食・中華食からパフェなどのデザートまで食べれる大衆食堂的なものがありましたが、今ではそれぞれの専門店が並んでいる状況にかわっています。
「なんでも食べれますよ」的なものから「これが食べたいならぜひ」とその分野では名の通った専門店が並んでいる状況となっています。

これを葬祭業界にあてはめたものが、まだ家族葬の需要も少なく、公共的な役割を葬儀が担っていたころに、オフィスシオンが日本で初めての「家族葬専門葬儀社」とわざわざ「専門」をつけて葬送サービスを提供し始めた理由です。
今から約15年前、当時はスタッフたちからは
「なんで全部ができるのにもったいない」
「社長は特に今まで超大型葬を担当してきているのにそれをすればいいんじゃないですか」
などと意見をもらいました。
また周囲の業界関係者からは
「小さいけど手間のかかる仕事だけするってちょっとおかしいんと違う」
「海の底の石を拾うような仕事だけに絞り込むってあの人変人」
などと言われたこともあります。

しかし「時代のニーズはここにある」と言った信念が私の中にありましたので思い切ったことができました。
(時代のニーズがあると判断した件につきましては別コラムで機会を見て書くことにします)
そしてまだ葬祭業界では普及していなかったインターネットに特化した宣伝広告をしてきました。
(このことについても別コラムで詳しく書きます)
するとたちまちある層のお客様から支持を得ました。その声は「家族葬専門だから安心」というお声が一番多かったことは言うまでもありません。

その顧客の層の方々をいろいろと調べたりすると、葬祭業界の過去の歴史の中で大きなパラダイムシフトを起こした層の方々がほとんどでした。
だから私は「この家族葬というものはたちまち日本に広がるだろう」「それは葬祭業界側の都合など全く考慮などすることなく」と予測しました。
今では「日本全国総家族葬時代」と言っても過言ではありません。
こうなった要因のひとつは「何が何でも葬儀のご依頼が欲しい」という葬儀社側の欲も手伝っています。
今、葬祭業界は著しい単価の下落に苦しんでいます。今を思えばあの時に家族葬は私たち専門業者に任せておいてくれればよかったのに・・・。
家族葬に対してなんの知識もなく、思入れもなく、単に葬儀の件数確保に動いた多くの葬儀社さんに「家族葬とあなた方がよく口にする一般葬の違いはなにですか?」とたずねても明確な答えをいただけません。
「人数が少ない葬儀」とか「家族だけの葬儀」と家族葬を定義づけることはできても、「今までやってきたその一般葬って何だったんですか?」との質問には答えることができない葬儀社がほとんどです。
(長くなってきたのでオフィスシオンが定義するところについても別コラムで)

1990年代~2000年代に「葬儀のプライベート化」に真剣に取り組み、
2000年代~2010年代に「人の死から発生する派生(事後も事前も)~終活」に真剣に取り組んできました。
次の2020年代は「幸福モデル~魂」について真剣に取り組んでいこうと思っています。

話はだいぶ飛んでしまいましたが、今一度自分の会社を見直して専門特化させること、自社を尖がらせることは非常に重要なことだと思います。
そういう2020年~の葬儀社の経営の仕方を一緒に学びたい方はぜひご相談ください。

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