コラム

ブラックな業界において大切なこと

昨夜の宵の口から葬儀のご依頼でスタッフたち2名は徹夜状態で朝を迎えました。私も若いころからこんな状態が普通で過ごしてきましたし、葬祭業界としては当たり前とされていることですが、これだけ「働き方改革」が叫ばれているとこの状態は何とかならないものかと考えてしまいます。
まあうちのスタッフたちは「夜も寝ないで仕事がある方が活気が生まれるのですごく心地よい」と言ってくれるスタッフばかりなので本当に助かっているんですけどね。

ここ数年で葬儀の1件単価は「どこまで下がるの?」とききたくなるような下がり方をしています。これ以上1件単価が下がれば365日×24時間葬儀のご依頼があった時に出発できるスタッフを雇用していけない状況まできていると言えるのではないかという状況です。
コンビニの24時間営業のことについて社会的に問題になっていますが、葬儀社も同じような問題を常に抱えています。

この「待機コスト」は時給1000円としても
24時間×365日×1000円=876万円になります。
それを毎月30件(それなりに各地区で名前が知れている葬儀社の件数と思われる)施行する葬儀社の例で見てみると1件当たり約25000円。
この金額が施行する前にすでに必要となっている金額です。
1件当たり100万円平均の売り上げがあればそう気にならない営業経費ですが、直葬ばかりで1件当たり20万平均ぐらいになってくるとなかなかばかにならない経費となります。

コンビニと同じく深夜はオーナーがこれをみているという葬儀社も結構あります。葬儀社の社長さんたちのうちで年がら年中携帯電話が手放せない人も数多くいます。まさにブラック。社員側がこのような状況であればブラック企業とののしられるのが当たり前の世の中に、葬儀社の経営者はブラック中のブラックな状況で生活をしているわけです。

通常の話はここまで。
ところが葬儀社の経営者さんたちにはそのブラックな環境でも喜んで働けている人が実に多い事。自慢になりますがうちの専務なんかもその代表格だと思っています。なにかどこかで「お困りのご遺族のお役にたちたい」というスイッチが入ってしまってすぐに行動を始めています。
私はサラリーマンをしていた時代も今までの仕事の中で半分くらいありますから、どうしてもどこかに引っかかりを感じてしまったり、「やっぱりおかしいよ」と考えてしまう部分もあります。少し前には「月曜日から金曜日の午前9時から午後5時の葬儀社はできやんのかなぁ」なんて真剣に考えていたこともあります。
そうやっていくとスタッフたちには「せめて嫌な思いをせずに仕事をしてほしい」と願ってしまいます。だから「お客さんは選んでいいよ」「嫌の仕事は無理せずに」との言葉が出てしまいがちです。
「何を言ってるんですか?山は高いほど登り甲斐があるんですよ」と言ってくれているスタッフたちにはいつもいつも頭が下がる思いです。

どうも彼女たちは「私たちの仕事はお客様を喜ばせる事」と考えてくれているようです。どんな職業に就いても作業をこなしているだけでは何も後には残りません。仕事をしていることが一番大事なんですよね。


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