自分の会社が何をしているのか?という話をする時に、「何でもしますので任せてください」というと非常にきこえはいいんでしょうけど、それでは相手にはまったく伝わりません。
われわれ葬祭業で言えば「社葬・合同葬から一般葬や家族葬まで」とか「総合葬祭」いう看板やチラシをよく見ますが、これでは消費者にはまったく何をしてくれるのかが伝わっていないということになります。
それは今から十数年前に私どもが日本で初めて「家族葬専門葬儀社」と名乗った時に証明されました。ご依頼をいただいた多くの方々から「家族葬専門だから安心」というお声をたくさんいただきました。周囲の業界関係者や私どものスタッフでさえ「家族葬だけってターゲットを自分で狭くしてはもったいない」という声が主流でしたが、実はそれは全く逆であることが証明されたわけです。
だからチラシや看板の宣伝文句の中に「何でもします」「誰でもOKです」と入れるのは一見ストライクゾーンが広くて仕事がもらえそうに見えますが、全く逆で「何をしてもらえるのかわからない」と消費者には伝わってしまっているのです。
このことはチラシを作るときに一番言われることです。「チラシの作成は足し算ではなく引き算だ」と知り合いの義務的市場に特化した宣伝広告会社さんも創業当時から言い続けています。チラシを出す側は載せたいことがいっぱいであれもこれもと出てくるところからいかに絞り込むことができるかが勝負だと言います。
またアメリカから来た異業種のビジネスミーティングでも「カテゴリーの特化」として自分のビジネスを可能な限り細分化して伝えることで紹介がよりもらいやすくなることを証明しています。
昔私たちが子供のころにはデパートの上の階のあたりに丼物もカレーもそばもお子様ランチもフルーツパフェもありとあらゆるものを食べさせてくれる大衆食堂的なものがありましたが、今ではピザ専門店、トンカツ専門店、そば専門店などのレストラン街にかわってしまっているのを見てそう感じませんか?
私は仕事人間だったので子供のころ以来デパートなんて行ったことなかったのですが、今から20年ぐらい前に関西に来て、大阪のいろんなデパートに行ってみてカルチャーショックを受けた記憶がまだ昨日のようによみがえります。
(初めて明かしますが「家族葬専門」を思いついたのはデパートのレストラン街を見てです)
どうしても「あれもこれも」と欲張りたくなってしまいますが、それが一番の敵。今自分の会社が何をすることが会社の将来にとって一番いいのかをもう一度考え直してみてはいかがでしょうか?
葬儀供養・超高齢社会・デスケアの過去・現在・未来を読み解くコラム
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